丸編み機を使って、横編み機では編めない機能(パイル・テーピング等)を使い、従来にない五本指靴下を考案しました。
当社特許申請中の摩擦係数の高いポリウレタン糸を編み込む技術を盛り込み、商品価値の向上も同時に実現する設計にしています。
靴下の市場の中で、五本指靴下の編み機は横編み機が主流であり、丸編み機の靴下工場では構造が異なるため、五本指靴下は手袋等の横編み業界の商品でしたが、当社の足袋製作技術の蓄積をもとにした、エコノレッグブランド「あしサポ つまずき予防靴下」に使用の立体編み技術を取り入れました。従来にないこの五本指靴下は、新たな高付加価値靴下市場を開拓できる商品です。
エコノレッグブランド「あしサポ つまずき予防靴下」の開発でつま先が上がる足袋を開発、拇と他の指の部分を斜めに立体で造ることで親指を上げやすくしたことにヒントを得ました。
当社のこの技術を使い、5本の指を造り上げることが可能ではないかと考えました。
しかし、立体を指の大きさを変えて5回繰り返すことは、難しい課題でもありました。
針数が少なく、釜吋が小さい場合、指が小さくなり履き辛い商品になります。
釜の直径と針数によって立体の形が変わり、大きい釜で針数が多いほど履きやすい立体になることをもとに、針数を多くすることで立体の斜め食い込みを抑制して、履き心地を向上させ従来の五本指靴下に負けないスポーツ対応の五本指靴下を造り上げることが可能になりました。
高機能のスポーツ対応商品のため、以下の性能、品質、価格帯を想定して造り上げました。
スポーツと使用状況、靴の厚み等それぞれに対応するため、3タイプの生地候補を想定して作成しています。
【タイプ1】 薄手の靴に合う靴下 |
【タイプ2】 クッションの効いた靴下 |
【タイプ3】 履きやすい靴下 |
|
---|---|---|---|
使用状況 | ランニング・ジョギングなど | バスケット・テニスなど | 普段履き |
生地の厚み | 薄生地 | 中厚生地 | 一般的な厚み |
機能 | 200本の3・3/4インチの釜で針数を入れることで、指の造形に余裕を生むことで履き良くする。 | 200本の4~5インチの釜で、釜を大きくすることで太目の素材と編み方にする。 | 144本の4~4.5インチで釜数を大きくすることで、立体を実現する。針数の不足を釜径で補う。 |
素材 | ポリエステルなどの長繊維を使って、軽くて薄くても丈夫な靴下を造る。 | 中厚のため、吸水速乾性で履き心地を良くするため、綿と合繊の混紡糸を使用する。 | 一般的な厚みで、普段履きに対処、立体の形を窮屈にならないよう機械だけでなく、素材で調節も加える。 |
共通項 |
〇 スポーツ用途のため、できる限り吸水速乾性の素材を使用する 〇 使用強度に耐えうる素材の使用 〇 衝撃緩和としてのパイル編みの商品と使いやすい平編みの商品を企画 〇 テーピング・サポート・着圧・通気性のメッシュ編み等、当該スポーツに必要な機能を付加する 〇 当社の特許技術である滑り難いポリウレタンのベアー糸を編み込む技術を使用 ※(株)東レ・オペロンテックスさんとの共同特許申請中。 編み込みので面で止まって滑り難く、靴下と足の間でも止まるため、運動効率が大きくなってパフォーマンスも上がります。 |
現在、立体編みの技術で指を造るところまでは完成。
それぞれの厚みに適合する商品を購入する機械で試してみることでベストマッチの素材を選ぶことが課題です。